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Histamine-2 Receptor Antagonists vs Proton Pump Inhibitors on Gastrointestinal Tract Hemorrhage and Infectious Complications in the Intensive Care Unit
JAMA Intern Med. 2014;174(4):564-574. doi:10.1001/jamainternmed.2013.14673.
目的:H2ブロッカーとPPIの消化管出血、肺炎、CD(Clostridium difficile)感染の発生率・リスク因子の評価
方法:コホートスタディ。24時間以上の人工呼吸器管理と、挿管中に48時間以上のH2RAかPPIのどちらかを投与された成人患者。傾向スコアで調整。
メインアウトカム:呼吸器管理開始後48時間経過後の消化管出血、肺炎、CD感染
結果:
消化管出血 2.1% vs 5.9%
肺炎 27% vs 38.6%
CD感染 2.2% vs 3.8%
傾向スコアと交絡因子で調整するとオッズ比は
消化管出血2.24、肺炎1.2、CD感染1.29とPPIで頻度高い。
多変量解析
Dose and duration of acid-suppressing therapy did not affect these outcomes.
投与量と投与期間は結果に影響しなかった。
ファモチジンは40mg以上がhigh dose
オメプラゾール・エソメプラゾールなら40mg以上、ランソプラゾールでは30mg以上がhigh dose。
投与量の平均や中央値は不明。
心筋梗塞後の抗血栓療法患者に対するNSAIDs投与と心血管イベント・出血イベントに対する影響
Association of NSAID Use With Risk of Bleeding and Cardiovascular Events in Patients Receiving Antithrombotic Therapy After Myocardial Infarction
JAMA. 2015;313(8):805-814. doi:10.1001/jama.2015.0809.
心筋梗塞後の抗血栓療法中にNSAIDsを併用した場合のリスクについての調査。
人数 61971人 そのうち34%が1つ以上のNSAIDsを併用していた。
追跡期間中央値の3.5年の中で、18105人(29.2%)が死亡。出血イベント5288件 (8.5%)。心血管イベント18568件(30.0%)。
出血(100人年当たりのイベント)の粗出現率はNSAIDs併用群で4.2 (95% CI, 3.8-4.6) 、併用なし群で2.2(95% CI, 2.1-2.3) 。
心血管イベントはNSAIDs併用群で11.2 (95% CI, 10.5-11.9)、併用なし群で8.3(95% CI, 8.2-8.4)。
COX回帰分析では出血のリスクがNSAIDs併用で非併用に比べhazard ratio, 2.02 [95% CI, 1.81-2.26]であり、心血管リスクはhazard ratio, 1.40 [95% CI, 1.30-1.49]。
COX2選択性の有無にかかわらずリスクの上昇はみられていた。特にセレコキシブとジクロフェナクでのHR高い。
NSAIDs併用は出血リスクが増えるにも関わらず心血管イベントを抑制することもなかった。
NSAIDsの使用は短期間(0-3days)でも有意に出血のリスクを上昇させた。
エラスポール
Intern Med. 2010;49(22):2423-32. Epub 2010 Nov 15.
Effect of neutrophil elastase inhibitor (sivelestat sodium) in the treatment of acute lung injury (ALI) and acute respiratory distress syndrome (ARDS): a systematic review and meta-analysis
シベレスタット(エラスポール)のシステマティックレビュー
short term mortality(28-30日死亡率)には影響なし(5 studies)
180日死亡率はむしろ悪い結果(2 studies)
人工呼吸器日数も差なし(3 studies)
3日目のP/F比は良い結果だった。
そもそもRCTの質も高くないものが多く、また呼吸器設定・薬剤・輸液投与法などがそれぞれ異なるなどのlimitationがあることに留意すべきか。
プロポフォール注入症候群(PRIS)
Propofol infusion syndrome: a structured review of experimental studies and 153 published case reports.
Adéla Krajčová12*, Petr Waldauf3, Michal Anděl12 and František Duška134
Propofol infusion syndrome(PRIS)はまれだが致死的な副作用である。定義はないが多くは原因不明の代謝性アシドーシス・横紋筋融解症・高カリウム・肝腫大・腎不全・高脂血症・不整脈・ブルガダ型心電図・急速に進行する心不全などが現れる。
1990年代早期に小児での報告が続き、その後成人例が報告された。
その後のLancetでの報告を受け、FDAは小児への長期の使用について警告し、2006年には最大投与量を4mg/kg/hrへと改定した。
PRISが疑われる153名に関する94の原稿について解析。
1990年代では肺炎の小児への過量投与によるPRISが多かったが、近年は通常投与量で軽度な原因不明の代謝性アシドーシス・CK上昇を示す成人・高齢者例が多い。ときにAKIや不整脈がみられるが、その他の症状はみられないことが多い。これらは投与の傾向が変わったことを反映しているかもしれない。
PRISによる死亡の予測因子は少なく、累積投与量が最も重要であった。
TBI(Traumatic Brain Injury)と発熱は死亡率と有意に関連していた。
心不全・代謝性アシドーシス・発熱・低血圧は投与速度が速いとより起こりやすく、投与期間とは無関係。中でも心不全・代謝性アシドーシスはより早期に現れる。
不整脈やそのほかのECG上の変化は投与量にかかわらず48時間以上投与された例で現れやすかった。
横紋筋融解症および高脂血症は累積投与量に依存し、投与96時間以降、高用量で出現しやすくなる。
AKIと肝腫大は投与量・投与期間とは無関係。肝腫大は累積投与量に関連する傾向はみられた。